「もう何なのよー。」
充に腕を引っ張られながら私は行方を知らないままされるままでいた。
「まぁ、待ってろって♪」
充は楽しそう…。
自分だけ楽しくないってどうよ?誘ったのはそっちはくせにぃ!!
「どこ行くのぉ?」
「そんなん内緒だし♪」
さっきからこればっか。あぁ、腕も痛くなるし…。
「着いてからのお楽しみ♪」
「っそ。」

「ここ。」
やっと、着いたかぁー。
そう思って前を見ると
「うわぁー。」
綺麗な景色が広がっていた。
「綺麗ー。」
ここは私達の街を上から見渡せる場所。
「だろ?」
「うん!!」
「ここは俺のお気にな場所だからな♪」
え…。それって誰にも教えたくないもんなんじゃ…。
「え。いいの?私なんかに教えちゃって。」
「お前だから連れてきたんだよ。」
「え…。」
え…。えぇ…。
充の今の発言で私の頭ん中はパニック状態。
どんなに恋愛経験がなくてもこれはちょっと…。
私の顔は多分真っ赤…。
もう、恥ずかしくてしばらくの間沈黙が続いた。
「なんか、ここにいるとイヤな事なんて忘れちゃうね。」
沈黙の中私は口を開いた。
「イヤな事って?」
「うーん…。たとえば、誰かさんとのキスとか?」
私はからかうように充に言った。
「お前もしつこい奴だな~。」
当たり前でしょ。あんなこと忘れるはずないし。
「まぁね。これだけがとりえですから!!。」
「なんだそれ。」
充が笑いながら言った。
(ドキッ…)
あぁ、また胸がぁぁぁ。
なんだよこれぇー。止まって止まって!!