帰ろうとしたとき
「アドレス登録しといたから。」
固まった。なんで…なんと…言いましたか?
「えっ?アドレス…?」
「そっ。俺の入れといた。」
「中見たの!?」
「あたりめーだろ。アドレス入れるんだから。」
意味わかんないんですけど?
「なんで入れる必要があるの?」
「それって拾ってもらった人に言う言葉か?」
アイツは不敵な笑みを浮かべながら言った。
「それと、俺はアンタじゃない。充って言え。なっ。南。」
またあの笑みを浮かべた。
ゾッとした。何だこいつ。
「勝手に決めないでよ。南なんて呼ばないで。」
「いいじゃんか。俺達の仲だし。」
何よ。俺達の仲って…。
意味わかんない。
「帰る。」
そういうともう私はダッシュで階段を駆け降り、学校を後にした。

「ふぅ~。」
ここまでくれば大丈夫でしょ。
さっき携帯を取り戻してきて、ダッシュでここまで来た。
今は家の前。
中に入るとまだ誰もいなかった。
テレビでも見ようか…。
そう思って、部屋で着替えてきて、リビングでテレビをつけた。
(~♪~♪~)
いきなり携帯が鳴った。
「誰だ?」
聞きなれない着信音。
ディスプレイを見ると、知らない電話番号。
「もしもし…」
恐る恐る電話に出ると
「あ。南?俺だけど。」
俺?…ってこの声ってまさか…
「充!?」
「いきなり呼び捨てかよ(藁)」
「あ、ごめん。…てかそっちもじゃん…」
「いいじゃん♪」
「はぁー…。てか、私の携帯…。」
「さっき言ったじゃん。」
「そうだった。で、何の用?」
「相変わらず冷てぇーな。」
「うっさいわね。で、何の用なのよ。」
マイペースな充にだんだんイライラしてきた。
「あ、そだった。あのさ、明日暇?」
「はっ?明日?」
カレンダーを見ると明日は土曜。
「別にすることないけど何?」
「お前をいい女にしてやる。」
「はっ?」
何いい女って。てか、何誘っちゃってんの?
「意味わかんない。」
「明日になれば分かるし。」
??何なんだ?
「じゃぁ、明日の11時に学校前の公園な。」
「はっ?私行くとは言って…」
「遅れんなよ。」
充は私の言葉を遮って、電話を切った。
「勝手なやつ。」
明日…。
行くもんか。絶対行かない…。
と思ったのに…。