教室に戻った私は、勢いよくイスに座った。
「もうなんなのよ。」
事故!?さっきから、怒りがおさまらない。
「はぁー。」
机に顔を伏せた瞬間
「最近ため息多いね～。」
頭上から聞きなれた声が降ってきた。
顔をあげると、沙希がいた。
「何々?充ｸﾝと何かあった?」
「あぁ?」
アイツの名前を聞くだけでイラつく。
「どうしたの?南ちゃんが怒るなんて珍しい。」
「ちょっとね。…ここでは話せない。」
てか、今話せる状況じゃない…。
暴れちゃうし。
「まぢ♪んふふ～♪ぢゃぁ、楽しみにしとく～。」
そう言って、何か勘違いしながら、沙希は席に戻って行った。
結局一限目が始まっても、アイツは戻らなかった。


昼休み、私は沙希と一緒に、教室でお弁当を食べようとしていた。
「充ｸﾝ一人かな?」
沙希がいらことを言い始めた。
「さぁ。」
アイツは窓の外をずっと見ている。
「充クーン。」
沙希が、アイツの席へ走って何か話してる。
すると、なぜかアイツがこちらへ来た。
「一緒に食べようって誘ったんだ♪」
沙希が嬉しそうに言う。
…はぁー。何でこういう事になるかなぁ?
てか、普通断んない?今朝の事考えて。
しかも、
「よろしく。」
 って。
「…。」
答える気にもなれない。
「なんで、南ﾁｬﾝ無視してんの?」
「別に。」
そう言った私はみんなを無視してお弁当を食べ始めた。
「あ、なんで先に食べるの?あ、ほら充ｸﾝ食べよっ。」
「うん。」
なんて、さわやかに言っちゃってるけど
本当は軽い男。
ホント、最っ低。
「南ﾁｬﾝ…、顔怖いよ。」
知らず知らずのうちに顔まで強張っていた私に
沙希は顔をひきつらせて言った。
「あ…ごめん。」
チラっとアイツの方を見る。
アイツは笑ってる…。
くっそー。なんでそんな軽いわけ?
考えらんない。