好きだけじゃダメ?!

「美歩?」





「は、はい。」



「俺、気になったんだよ。
そう、ただたんに気になった」







瑛士はゆっくり話し始めた







「3人で走ってきたのに1人だけサインもねだらずただ突っ立ってて、
あーこの子は拓のファンかと思ったらどうしようって感じで俯いた。
この子はもしかして言えないのかと思ったら『忘れた』って言われて
すげー笑えた。
無理しても、友達に借りてもサインねだるだろって」


瑛士は思い出し笑い。



「そんなに変だった?」



「迷子の子猫ちゃんだ〜って思った」


「子猫ちゃん?馬鹿にしてる?」



「いや、すげ〜笑えて
すげ〜ビックリして
すげ〜可愛かったよ」