好きだけじゃダメ?!

外の雨は小降りになっていた

「自転車取って。」

「は?」

「だから俺の自転車。」

「なんで?」

「置いといたら邪魔だろ」
当たり前のように言って私に自転車を引かせる

「自分でおせばいいでしょ」

「手を離したら逃げ出す可能性が高い」

なるほど。
なんて感心したりした

でもいったいどこへ行くつもりなんだろう

小雨といっても秋の雨は少し冷たい



15分くらい歩いただろうか


「ここに自転車止めて」

彼は少し古びたマンションの自転車置き場に自転車を置くように私に言った


一階の中央部屋のドアを開けた。


「どうぞ。」


「はぁ・・・どうも。」


いったい誰の部屋?そんなことを思いながら部屋に入ると中は外見とは違って広くてきれいだった

よく見ると隣の部屋の壁がなくて玄関が2つ。
あ〜中で二軒繋がってるんだ。

繋げた広い部屋が一つと部屋のドアが右と左に一つづつキッチンもトイレもお風呂も2つづつある奇妙な作りに私は少し笑えた