好きだけじゃダメ?!

俺の事務所の新人御披露目パーティーは、なんだか新人はパッとしなかったものの、会場の雰囲気と美歩の作った小さなコサージュが好評で社長も大喜び。

美歩の会社との本契約も決まった。





「お疲れさま。」


俺は片付けをしている美歩のもとへ向かった


「お疲れさま。なんだか凄いね〜芸能人誕生を観ちゃったよ」

ミーハー丸出しの美歩


「あれはパッとしなかったな〜。ステージ演出の成果がなかったら散々だったかもな」


「そうなの?凄く良かったのに〜」

俺の話を信じていない様子。

俺らの時はステージになんの飾りもなかったけど大盛況だったなんて言っても信じないだろうな。


「そうだ。これ・・・受け取らなかったでしょ」

そう言いながら、俺の胸に何か付けようとしていた手を止めた


「一生懸命作ったのに貰わない気?」

美歩の手に小さく収まるコサージュ

これが好評だったコサージュか・・・


「ありがとう。じゃ、付けて」

そう言うと少し顔を紅くして
「だからさっきから付けようとしてたのに。」

なんて文句を言っていた