好きだけじゃダメ?!

「お前、良い度胸だな。人がせっかく届けて・・・」

私の手を掴んでそのまま言葉を失くす瑛士



「どうしたの・・・・?
あ・・・ありがとう・・・・助かったよ。」


そう言って袋を受け取ろうとした



「どうしたこの手・・・」


瑛士は私の手を見ている。

絆創膏だらけでカサカサの手を


「これ?」

何も言わない


「職業病だよ。急に発注増えたし水仕事なんてこんなもんだよ」

私がそういうと

「痛くないか?」

そんな質問をしてくる


「ププっ。今更なに?こんなの当たり前のへっちゃら」

そう言って笑う私


「でも、握手会の時は・・・・」


「あー。手だけエステ1週間。エへへ。」

そう照れながら笑った


瑛士はずっと手を見ていたから

「恥ずかしいからやめてよ。
もう行くね。ありがとう。」


そう手を振って皆の方に戻った