「きれ~いっ」

薄いピンクの花びらが咲き乱れる様に、声を上げるまりあ。
桜の花を見ているとなんだかとても心が和む。
やはり自分は日本人なんだなぁ~としみじみ痛感する。

昔から人々に愛されてきた桜。
この桜はそんな人々のいろんな思いを受け継いできている。
喜びも怒りも哀しみも楽しさも……。

そして……、

私のこの『虚しさ』も。

「マリリン、来てくれたんだね!ありがとう!」
マリリン……?
この軽いノリは何っ?!

「話だけなら聞いてあげてもいいかな~って。ってかどーでもいいけどその『マリリン』って随分馴れ馴れしいんじゃない?」

「まぁまぁ、細かいことは気にしないでよ。これから一緒に居ることになるんだから」

「一緒?それって……どういう……」

「つまり~私の魔法でマリリンの夢探しを手伝ってあげるっ。それが私の魔法学校での卒業試験でもあるの」

「まっ魔法……?」

「私もマリリンも『一人前』になるための今日が所謂『スタート』ってわけ!」

私は『夢』でも見ているのでしょうか?
右手で頬をつねってみても痛さを感じる。
いや……これは……『夢』じゃない。

この日をきっかけにこの魔法少女シャロンと、非常に不安な共同生活を送ることとなったのであった。