「あとは最終試験!人間界に行くだけねっ」

魔法界には毎年、魔法学校を卒業する最終関門として『人間界』での卒業試験が待っている。

卒業試験のテーマは各々決めていいことになっているんだ。

私のテーマはズバリっ!!
『夢も希望も失った人間にもう一度輝きを取り戻してもらうこと』!!
私の魔法にかかれば朝飯前っ!!

な~んてね。

さてと、今回のターゲットは……。『人間帳』を広げながらシャロンは悩んでいた。
因みに『人間帳』とは人間界にいる人間たちのデータが詰まった資料である。

どうしようかなぁ~。
ダメで救いようのないくらいの方が燃えるんだけど。

「姫野まりあ……二十歳。何々……職業、フリーター。将来の夢、特に無し……か。ダメそうな匂いがぷんぷん。よ~しっ!この子に決めたぁ!!」

シャロンは早速、得意のほうき飛行術で人間界に向かうのだった。