砂浜を歩いていた。
海は無かったが、砂浜があった。木が生い茂っていたので砂漠でもなかった。ジャングルのようにも思えたが、そこは砂浜だと解釈していた。
砂はとても熱くて、足が火傷をしてしまった。
こんな所を何故歩き回っているのか、自分でも分からなくなり、帰宅しようとした。
しかし、本能的に帰ってはいけない気がして、ただ俯きながら歩いていた。
しばらくしてから、後ろの方から声が聞こえた。「帰って」
広い砂浜で今まで聞こえていた音は砂を踏む音だけ。
そんな悠久の時間が流れる場所には不釣り合いな言葉。

拒絶

短いその音には明らかな嫌悪感が表れていた。