彼は平凡な人生を送っていた。子供の頃からずっと。人より優れているものは無いし、衰えているものも無い。
そんなマンネリの毎日に耐えられなくなった時、"夢中毒"をテレビで知った。
(夢を自在に操れるのか…)
人生に飽き飽きしていた彼は迷わず購入することに決めた。
それから月日が流れ、待ちに待った発売日が来た。
番号札を握りしめ、色々と考えている間に急に馬鹿らしくなってきた。
(夢は所詮、夢でしかないんだよな……)
そう思っていると、遂に、彼の番号札の番号が呼ばれた。