「おはよ、トオル。」

「おはよーっ!! ユイカっ! それとヒバリンっ!」

「おはよう…。でもその呼び方はやめてくれないかな。」

トオルはユイカに抱きついてはしゃいだ。ユイカも楽しそうに受け止めた。ヒバリは一方奇妙なあだ名を呼ばれて困り気味だ。

俺はトオルに怒鳴りつつも、心の中ではこのいつもどうりの朝に笑っている。

俺、ユイカ、ヒバリ、トオル。

この4人でいつも一緒に過ごしている。

4人で山に秘密基地を作ったり、4人で海を泳いだり、4人で秘密の場所を作ったり

辛いことも、悲しいことも、嬉しいことも、楽しいことも

「じゃ、もう学校行こうぜ!」

「そだねっ!」

「じゃあ、皆で走って競争っ!! ビリはみんなにアイスね~! じゃ、しゅっぱーっつ!!」

「おいおいっ! 待ってよトオルっ!」

「あたしもゴーッ!」

「ゆっ、唯花までっ!」

「早く行っちゃおうぜ。このままじゃお前がビリになっちまうぜ。」

「うっ…。じゃあ、本気でいくよ。輝明には絶対負けないからな!」

「望む所だぜっ!」

そうして、4人は学校に向かって走り出した。


そう、これからもずっと死ぬまでこの4人は一緒だと思ってた。

これからもずっと辛いことも、悲しいことも、嬉しいことも、楽しいことも全部4人でわかちあうんだと思ってた。

だけど、それは今日から変わる事になってしまった。

それは俺にとって大きな幸せを生み、それは同時に深い惨劇と悲しみの始まりだった――――――