「……ファイ様も心配されてましたよ」


チトセが少し苦笑いを浮かべながら言った



「…」


ファイ、が……?



「あ、ご入浴の準備ができてますよ」


黙っているサンに


明るく接するチトセ



「……じゃあ、入ってきます…」


そう言い立ち上がり浴室のほうへ向かう




「お手伝いしましょうか?」


チトセの声にサンは立ち止まり


振り向いて言った



「…しばらく、一人にさせてください……」



――力の無い…




「…わかりました。ごゆっくりどうぞ」




弱々しい声だった――…