「でも何も考えられなかった。自分の欲望に勝てなかった…」



そう言い、ファイは手を自分の顔に当てた


指の隙間から見える口元は


三日月のように上がっていた




――笑っていた。



自分を嘲り笑うように――…





こんな時、


俺はどうすればいいんだ…?


俺はこんなに無力だったのか――…?