「好きだ」 ぎゅっと強く、息が出来ないくらい強く抱きしめられたまま、その呟きを聞いた。 「好き?」 息苦しい中でやっとだした声は掠れていた。 「ずっと好きだったんだ」 「本当は引っ越しの日に言おうと思ってたんだけど言えなくて。だから次逢ったら絶対言おうって思ってた」 「別に真琴が俺のこと好きじゃなくてもいいんだ。ただ、俺の気持ち知ってもらいたかっただけだから」 どんどん喋って、私に答える隙を与えてくれない。 私もって伝えたいのに。