「そんなに変わってない?私が幼いってこと?」
ちょっとムっとした。
私の行動はそんなに幼かっただろうか。
もう17歳なんだからね。
「ごめん、違うくて」
まだちょっとだけ笑いながらあの人が言う。
「昔からあんまり人に頼らない子だったから」
「今だって普通ならあんなにあっさり、自分で調べるなんて言わないと思うよ」
そんなところがいいんだけどね。
なんて言いながら優しく笑う。
「泣いてるとことか、自分の弱いところを絶対に見せなかったよね」
そうだっただろうか。
昔のことはよく覚えていない。
だけど、今でも人前では泣きたくない。
本当に気を許した人でなければ本当の自分は見せない。
昔から私はそんなだったのか。
自分が知らない自分を人から聞くのは不思議な感覚だった。


