『ただいまー』
玄関で呼びかける。
シーン…
『あれ?』
いつもなら、専業主婦のママが出迎えてくれるのに。
不思議に思いながらリビングに向かう。
『ママー?』
リビングにも、キッチンにも姿は見えない。
「買い物とか?」
『普段ならありえるけど…今日は沙羅ん家寄ってたから遅くなったのに。この時間ならいるはずなんだよ?』
「苺…?」
裕人に説明していると、急に後ろからしゃがれた声が。
『きゃあ!…ってママ!?』
青白い顔をしたママが、寝室から出てきた。
『ど、どうしたの?大丈夫?』
額に手を当ててみると、
『熱っ』
ひどい熱。
「今急に…体調が……」
『今急に?…あとはあたしに任せて、休んでて?』
「ごめんね…」
そう呟いて、ママは寝室に戻っていった。
『大丈夫かな…?』
「そいつの影響だな」
『え?』
裕人の視線は……紙袋。
『あぁ!ど、どうしよ!あたしには裕人がいるから安心だけど…』
「………。」
『ちょっと?何赤くなってるのよー!』
「あ、わりぃ。とりあえず離れるぞ」
とりあえず部屋に駆け込んだ。


