「あー。その…だからぁ!」
頭をポリポリ掻きながら、そっぽを向く彼。
「沙羅は危ねぇけど、お前は大丈夫なの!……俺が、守るから」
ふと顔をのぞくと、真っ赤。いつも余裕な裕人からは想像つかないくらい。
『………』
「って黙るなよ!せめて笑ってくれ!」
『ふぇ〜…』
「泣くんですか!?」
だって、だって……嬉しいんだもん。
『ありがと、ね?』
「お、おう」
照れたように笑う裕人。
あたし、この笑顔好きだなぁ…
とか、しみじみ思っていると。
「ごめん、苺ーっ!遅くなった〜」
パタパタと小走りで沙羅が戻ってきた。
裕人のことは見えないし。
別に焦る要素なんてないんだけど……
泣いたし、照れてたし、好きだって再確認しちゃったし。
短時間でいろんなことを起こしすぎたあたしは軽くパニクって───…
ドサッ
『いったー!!』
椅子から落ちたのだった。
「…何してんのよ?」
不思議そうな顔をして見下ろしてくる沙羅。
その向こうで、本日何度目かの爆笑をしている裕人。
『あは、ははは…』
惨めなあたしの、乾いた笑い声が、広い沙羅の部屋に響いた。


