『さ〜らッ!』
沙羅の部屋まで案内してもらい、あたし達は沙羅の部屋に踏み込む。
部屋は広くて、裕人は珍しがってるけど。
あたしはもう見慣れてる。
迷うことなく沙羅が寝ているであろうベッドの方へ。
「苺!」
『沙羅!大丈夫?』
「うん。熱は下がったんだけど、体がダルくて重くて」
お姫様が使うようなベッドに横たわってる沙羅。
声は元気だけど、顔色があまりよくない。
「風邪引いたのなんて久しぶりでさー、ガラにもなく寝込んじゃった」
『あははっ。圭くんが沙羅がいないと静かすぎてつまんないって言ってたよ』
「何よそれー!あたしがうるさいってことかしら〜?」
沙羅が復活したら圭くん、絞められるな。
冷静な推測をたててみた。
「苺!苺!」
『……?』
切羽詰まった裕人の声がする。
でも、沙羅には裕人が見えないからどうすれば……
「そのままでいいから聞け!沙羅、憑(つ)かれてる!」
疲れてる?そりゃ風邪引いたら体力消耗しちゃう……
「って言っても!たぶんお前が想像してるほうじゃなくて、疫病神が取り憑いてんの!」
『えぇ!?』
「ど、どうしたの?」
突然叫んだあたしに、沙羅が心配そうに見てきた。
『なんでもなっ───む!?』
叫びそうになったほんの一瞬前。今朝みたいに、裕人があたしの口を塞いだ。
「む?」
プルプルと首を振る。
「そう?…あぁ、久しぶりの学校で疲れたんだ?」
今度はコクコク頷く。
あたしは疲れた。
でも沙羅は憑かれてる!
って、心の中で叫ぶ。
「あ、ごめん。薬の時間だ。飲んでくるから、ちょっと待ってて」
そう言い残して、沙羅は部屋を出た。


