『しっかり?』
「おう。じゃなきゃついてけねぇ」
裕人の目は真剣そのもの。
『わかった』
「おう」
『沙羅はね』
「うん」
『あー見えてね』
「うん」
『お嬢様なの!』
「………。」
よし、しっかり説明したぞっ!
『さ、行こう!』
「行かせるかあ!!」
スパーン
久しぶりの裕人の鉄拳(と称されたハリセン)が出た。
『いたぁ〜い!』
「しっかりって、そういうしっかりじゃねぇんだよ!もっと具体的に!」
『沙羅は社長令嬢です』
「具体的すぎるわ!」
スパーン
『2回も殴んなくてもいいでしょー!?』
「もっと詳細を!」
『詳細…?えっとねぇ…1932年7月8日、沙羅のおじいちゃんで会社の創立者である源蔵(ゲンゾウ)さんが、今は私立学校が建ってるけどもとは病院で、そこで生まれたの。幼い頃から経営学を学ばされてきた彼は──…』
「なんで創立者の生い立ち知ってんだよ!ってか細けぇよ!!」
『そっからなんやかんやあって会社建てて、息子が継いで沙羅が生まれた、みたいな?』
「そのあと超適当だな!何、その差!?なんやかんやの間に何があったんだよ!」
『まぁ、色々と。ってか早く行こうよ〜。沙羅に会いたいよ〜』
「………。」
〈本当につかの間の裕人side〉
………なんなの、コイツ。
マジで、意味わかんねぇ。
ボケか?それとも本気?天然?
それすら、わっかんねぇ。
〈本当につかの間の裕人side・完〉
『裕人?』
「あぁ…俺、ちょっと悩み抜きたいから…浮いとくわ」
『そぉ?』
あたしはプカプカ浮いてる裕人を一度見上げてから、執事さんが用意してくれた車に乗り込んだ。
終始、1人で喋ってるように見えたんだろうな。
「お疲れなんですか?」
心配された。
『あ、ちょっと最近色々ありまして…』
半分本当で、半分嘘。
「あまり、ご無理をされないように…」
『ありがとうございます』
…超いい人♪


