クローバー



鬱蒼とした森の中をただ息を切らして走る少女。
森の後方では火柱が上がり、人の悲鳴が木霊する。聞きたくなくても聞こえて来る断末魔のような悲鳴。視界に入れたくなくても勝手に入って来る人の死体。
どうしてこうなったのか…。それは多分、私のせい。私が女神の力なんて受け継いだから…。望んで手に入れた訳じゃない。ただ世界を平和にしたかった。ただ毎日を楽しく過ごしたかった。皆と…あの人と…。