クローバー

でも騎士は私達の仲間だからいいよね。
無理矢理に自分を正当化し、フタバは黒いフード付きのコートを手に取った。


フタバがセイさんに近付いても、セイさんは起きようとしない。
「あ、あの…」
フードを深く被り、思いきって声をかけるとやっとセイさんは眠そうな目を開けた。
「ん?何だお前は?魔女か?」
「は、はい」
近くで見るとやっぱり綺麗だ。中性的な顔立ちで背も高く細い。
「あの、私、城から出ちゃいけないんです」