クローバー

「ええ。魔女狩りの前に開かれた会議で写真を見せてもらいましたから」
「ほー」
確かあったな、そんな会議。あまりにも馬鹿馬鹿しくてセイは途中で抜け出した記憶がある。
「でも変な感じですね。殺そうとした女が自分の近くにいるなんて」
「殺そうとした?」
王の命令では女神は捕まえるという事だったはず。なのに殺すなんて命令違反だ。もしそれがバレたらサヤだってただでは済まないはず。
「女神の力なんてものがあるから、戦争が起きるんです」
「サヤ…」
そうだ…。サヤはセイと同じで、争いが嫌いな優しい少女なんだ。
その瞬間、爆音と共に城全体が大きく揺れた。