クローバー

セイよりも少し背の低いサヤの頭を手で軽く押し退け、扉の前から退け、扉を押し開ける。
「ちょ、セイ隊長!」
背後で叫ぶサヤの声を無視し中に入る。
部屋にはベッドと小さな机しかなく、窓には白いカーテンがかけられている。部屋に一つしかないベッドの上にはヨツバが枕を抱えて埋まっていた。もしかして泣いているのだろうか。
セイは少し気を遣いながら声をかける。
「おい、ヨツバ?」
やはり泣いてたのか。顔を上げたヨツバの目は赤くなっていた。