クローバー



「セイ隊長」
城の中をグルグルと回っていると、サヤが扉の前で立っていた。
この廊下には部屋が一つしかなくほとんど誰も通らない廊下だ。セイも初めて通る。
たった一つしかない部屋の前でサヤだけがいるという事は、間違いなくヨツバがここにいる。
「ヨツバはここか」
セイが近付こうとすると、すかさずサヤが前に立ちはだかる。相変わらず厳しい目だな。
「中に入る事は許されていません」
「何だ?隊長に逆らうのか?」
「いつまでも隊長面しないで下さい」
「細かい事気にするなよ」