クローバー

そんな目を見るのが嫌なセイは背を向けたまま、大きく伸びをする。
｢私も騎士だ。自由にさせてもらう｣
｢戻るつもりはないんだろ｣
｢戻らないなんて言ってない。王がいないならそれなりに楽しそうだし、まあ、考えてみるよ｣
平気で嘘を言い放ち、アッシュが剣を抜く前にセイはその場から立ち去った。
セイは分かっていた。アッシュがセイを邪魔だと思っている事を。
あまり話をした事はないが、アッシュがセイに向ける殺意は敵に向けるものと同じ。