クローバー



長い廊下をアッシュと無言で歩き続ける。微妙な空気に堪えられないセイが何度か話しかけてみたが、アッシュはことごとく無視していく。
アッシュもセイの事を良く思ってないのかもしれないが、やはりこの男だけは苦手だ。今思えば騎士だった頃も、あまり話をした事がない。アッシュの姿を見付ける度、この男は剣を振っているか、自分の部下に罵声を飛ばしているかだ。
何よりも苦手なのは常に殺意を込めている瞳。その瞳は敵だけではなく、仲間にも向けられる。そんな瞳が苦手だ。