空の少女と海の少年



「──で、どうなんだよ!」

「……うぜえ。」


部屋に戻ってから
陸はうるせえんだよ

俺と春が付き合ってるのか
ってしつこく聞いてくる

こいつ知ってるよな?
……嫌がらせか?


「なんだよ、まだ付き合ってねーのかよ。いい雰囲気でいるのになー……お前片思い歴何年だよ。」


やれやれと溜め息をつく陸を
海斗はキッと睨みつけた


「陸……お前こそ何年奈々に片思いしてるんだよ。」

「俺は10年だ!!」

「や、自慢じゃねえし。お前こそ告れよ。」

「は?毎日のように告ってますけど?」


……ごめん陸。

そういえば毎日告って
毎日振られてるよな……


俺は溜め息をついて
窓の外に視線を移した



俺は、ガキの頃から
ずっと春に片思いしてる


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