「──……どうゆう事だよ。」


不機嫌そうに顔を歪めた海斗は
そう言って前を見据えた

白く輝く神殿
中に入る為の大きな入口

そして、入口の前には
7人の神が立っていた


ユラは一歩前に出て
丁寧に一礼した


『今から第三試練を開始致します。』

「何で俺だけなんだよ。俺だけ合格しても意味ねえだろ。」

『もう時期全員着く。お前はただの囮だ。』


サラは海斗の後ろを指差した

振り向くと、遠くの方に
春達の気配を感じて
海斗は深い溜め息をついた


「タクシーの運転手。あれソウだろ。」

『よく分かったな。この地には元々そんな伝説はない。』

「じゃあその神殿は偽物か?」

『ここを見つけられる人間は海斗だけだ。これは¨完全覚醒¨の儀式を行う神殿だからな。もしも、お前達が合格したならばこのまま儀式を行う。』


ソウの言葉を聞いて
海斗は無表情で頷いた


合格したらすぐに¨完全覚醒¨か……
って事はもう、みんなに会うことはない

春と陸と奈々以外で
初めて信頼できた¨仲間達¨


奈央達の事を思い出していると
サラが海斗の前に立った


『¨完全覚醒¨した者はすぐに楽園に行くのが掟だが……春の為に、別れくらいはさせてやる。』

「ん。……わりいな。」


顔を逸らしながら
¨春の為に¨を強調したサラを見て
海斗は小さく笑った


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