「……春?」
海斗は全身の血の気が
引いていくのを感じた
が第六ステージの
ゴールである虹をくぐって
4人が最初に見た光景は
春が嵐の爆発に
巻き込まれたところだった
砂埃が舞っているせいで
春の姿は見えない
4人が春を助けようと
一歩踏み出した瞬間
目の前にソウが現れた
「どいてソウ。」
『ラストステージ¨地¨のゴールはこの先の洞窟にある水晶だ。分かったら早く行け。』
「春ちゃんを助けてから行くよ。」
『春の試練に手を出すなら全員失格だ。お前らは自分の試練に集中しろ。』
「は!?楠木はもう戦えないだろ!それ以上無理させんなよ!代わりに俺が戦うから!」
陸が春の元へ行こうとすると
足元の地面が盛り上がって
春のところに続く道が塞がれ
右手の方に新たな道が現れた
ソウは新たな道を指差した
『お前らが進む道だ。』
「でも春ちゃんは「待って。」
蓮の言葉を遮って
聞こえたのは春の声
ソウと海斗達は無言のまま
仕切られた土の壁から
聞こえる声に耳を傾けた
聞こえてくる声は
細くて小さくて
海斗は拳を握り締めた
「春は最後まで戦うから……手を出さないで。ソウに勝たないとリールには勝てないの。」
「春!体ボロボロなんでしょう!?もうやめて!」
「奈々……春のこと信じて?春は絶対勝つから。」
¨信じて¨
奈々は目を見開いて
唇を噛み締めると
分かったわ
と短い返事を返した
一粒の涙が流れたことが
分からないように
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