そうだ
俺達は強くなるんだ
目的を忘れていたわ
何の為にここにいるのか
俺達は止まらない
前に進むんだ
3人は右手を前に出して
握り締めると手前に引いた
扉がそこにあることを信じて
その瞬間ミウは優しく微笑んだ
『おめでとう。合格だよ。』
五感が戻ってきて
ミウの声が聞こえた
扉から溢れる光に
思わず目を瞑って
ゆっくりと開いた
目の前に広がるのは
黄金に輝く草原
草の優しい匂い
風に揺れる草が触れ合う音
肌を撫でる風の感触
3人は顔を見合わせて笑った
「なんか嬉しいわ。」
「光が暖かい。」
「風が気持ちいいな。」
「嫌だあああ!」
自然を感じながら
風に揺れる草を見て
心を休めていると
どこからか悲鳴が聞こえてきた
それは聞き慣れた蓮の声
しかし海斗達は何も
聞こえなかったかのように
ゆっくりと深呼吸をした
「空気が美味しいわ。」
「のどかだな〜。」
「弁当が欲しいな。」
「来ないで!消えろ消えろ消えろ……消えて下さい!」
いい加減うるさいので
声のする方に振り向くと
3人は絶句した
_

