空の少女と海の少年



『──ここまでなんだね。』


力無く床に座り込む海斗達を見て
ミウは悲しそうに呟いた

音も匂いも感覚もない暗闇の中に
1時間近くもいるのだから
3人の精神力はとっくに
限界に近づいていた

いや、もう限界は
過ぎたかもしれない


『人間の心はなんて弱いんだろう。』


ガラスのように繊細で脆い心
少しでも触れると割れてしまう

だけどそんな弱くては
王や神にはなれない


¨心の弱さ¨


それが君達の
乗り越えなければいけない壁


『仕方ないな……。』


ミウは溜め息をつくと
両手を前に突き出し
未だに動かない
3人の心に語りかけた


『君達は何の為に試練を受けたの?』


久しぶりに聞こえた声に
反応して3人はピクリと動いた


……何の為?
強くなってリールを倒す
強くなってみんなを守る

強くなる
世界を救う為に


3人は床に手をつき
ゆっくりと立ち上がった

何も見えていないその瞳には
強い決意の光が籠もっていた


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