空の少女と海の少年



『海斗達はもっと自分に自信をもつべきだよ。王として、神として。』


自分に自信を持てれば
力だって格段に上がる

それが今の3人が
春に勝てない理由

春は毎日のトレーニングで
コツコツと力を上げてきた
そしてそれは¨自信¨に繋がった


『まあ、蓮みたいに自信持ちすぎるのもあれだけどね。』


ミウは小さく笑って
まだ扉を探し回る3人を見た


『早く合格しなきゃ置いてかれちゃうよ?』


¨おてんばお姫様¨にね




──キンッ


広く暗い地下空洞には
金属音が響いていた

大剣を片手で振り回す
ソウの攻撃には無駄が無く
武器を持たない春は
次々と繰り出される攻撃を
避けることで精一杯だった


『避けてるだけじゃ勝てないぜ。』

「これも作戦だよ!」


そう言って春は笑みを浮かべるが
ぶっちゃけ作戦なんて無い

春の能力は¨空¨
天候を操ったり
空の力を自由に使える
雷を自在に発生させたり
何もない所から光を作ったり

しかし弱点がひとつだけ


空が見えれば……
空が見えれば勝てるのに!


春はソウの攻撃を避けつつ
高い土の天井を睨み付けた

そう、春の能力¨空¨は
空が見えない場所では
力が10分の1にも
満たない程に減少する


_