──海斗が第三ステージをスタートした時
陸はサメの群れに囲まれていた
水中では能力である
¨火¨が使えないうえ
ジュエルが覚醒していない為
武器も持っていない陸は
必死でサメから逃げていた
海底まで息が持つかどうかも
わからねーのに
戦ったりなんかしたら
窒息死に決まってんだろ!
心の中でサメに文句をいい
海底目指して泳ぐが
水中ではサメの方が断然有利だ
その中の一匹が
大きな口を開けて
陸を呑み込もうとした
間に合わねえ!
陸はやってくる痛みに耐える為
目をぎゅっと瞑った
しかし痛みがこない
陸は恐る恐る目を開けた
そこに立っていたのは奈々
サメ達は重力によって
底へ底へと沈んでいく
「偶然私も襲われたの。¨偶然¨ね。」
「奈々!ぶはっ……。」
「ちょっ!?馬鹿!」
陸は思わず口を開けてしまい
せっかく溜めた空気が
全て外に出てしまった
顔色を変えた奈々は
陸にかかる重力を操作し
急いで海上に上げようとした
しかしその必要はなかった
「あ。ちょっとりっ君勝手に入ってこないでよね〜。」
「蓮!」
「あ、奈々ちゃん偶然だね〜。今りっくんが偶然箱に入ってきてさ〜…困った困った。」
薄い闇の膜をすり抜けて
¨偶然¨箱の中に入ってきた
陸を見て蓮は奈々に笑いかけると
奈々はクスリと笑った
「¨偶然¨じゃあ仕方ないわね。」
「そっ。偶然偶然〜。」
2人は笑いあうと
貝殻を捜して海底を目指した
『仕方ないですわね。』
その様子を見ていたセラは溜め息をついた
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