空の少女と海の少年



とうとう一人になった陸は
海の上に立つセラと目があった


「………。」

『………。』

「……助けて?」

『嫌ですわ。』


笑顔で断ったセラに舌打ちすると
思い切り空気を吸い込んだ


こうなったら
さっさと潜るしかねえ!


限界まで肺に空気を取り込んで
陸は海に飛び込んだ


『……リクの無茶苦茶なところ…少しも変わってませんわ……。』


海の中に消えた陸を見て
炎神だった頃を思い出した
セラは悲しげに微笑んだ


──海斗はすでに海底に着き
光の届かない暗い海底を光球で照らして
ゴールである貝殻を探していた


「ったく。もっと分かりやすくしろよ。光らせるとか。」


セラに対して文句を言いつつ
海底を歩いていると
視界の端で何かが光った


貝殻か?


珊瑚で隠れているが
確かに何かが光っている

海斗は走って光る場所に向かった


「……は?」

『だあれ?』


海斗は目を疑った

そこにあったのは
ゴールである貝殻

しかし余計なモノが
貝殻の中で座っていた


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