空の少女と海の少年



しばらく蓮を見つめたまま
ユラは思い出そうした
そしてハッと思い出したと同時に
頭の中にソウの声が響いてきた


《ユラ、ちょっと戻ってこい。そいつの事で話しがある。》

《……ちょうど私もあなたに確認したい事がありますのですぐ戻りますよ。》


無言で返事を返すと
ユラはまた蓮を見た後に
陸と話している海斗の近くにいった


『海斗様、私はこれで失礼します。二週間後にお迎えに参ります。』

「ああ、じゃあな。」

「じゃあなユラーっ!」


ユラは一礼するとその場から消えた

ユラの気配が消えたのを感じると
蓮は深い溜め息をついた


(氷神は僕を疑っているのか……それとも校長の言ってた¨僕の正体¨を知っているのか?)


しばらく考えていたが
自分の正体なんて分からない
校長の言うとおりにその時が来るまで
待たなくてはいけないのだろうか


(……嫌だねそんなの。)


思い立ったら即行動の蓮は
ある人物を訪ねる為に
ひとりで部屋を出て行った

全てを見抜く能力
¨千里眼¨
を持つ少女のもとへ


_