空の少女と海の少年



春はしょんぼりしながら
海斗の膝の上から降りると隣に座り
近くにあった雑誌をぱらぱらと捲り始めた

3人の話し声と足音が近づく中
海斗はニヤリと笑うと春の肩を叩いた


「春。」

「ん?」

ちゅっ


触れるだけのキスをすると
海斗は意地悪く微笑んで
「ごちそうさま。」と言って
何事もなかったかのようにテレビを付けた

春は状況を理解すると
真っ赤になって口をぱくぱくしている


「///ふっ不意打ちはずるいよ!」

「ふーん。じゃあ不意打ちじゃなきゃいいんだな。」

「なっ///「ただいま〜。あれ、ユラ来てたんだ。」


ドアが開く音と共に聞こえた
陸の言葉に春と海斗は耳を疑った

そしてバッと後ろを振り向くと
にこにこと微笑むユラが立っていた


「……いつからいた?」

『ちょうど蓮が帰ってきた時からです。春様と海斗様が口付けを「わーーっ!!」


春が急いでユラの口を両手で塞いで
チラリとドアの方を見ると
ニヤニヤと2人を見る陸と奈々
買い物袋を落として
唖然としている蓮の姿が


「いや〜悪いことしちったな〜。」

「もっとゆっくりしてくればよかったかしら。」

「春ちゃんに口付け……キス?」


このあと
蓮と海斗のバトルが始まり
春は陸と奈々に質問攻めをされ
その様子をユラが楽しそうに
見ていたということは言うまでもない


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