空の少女と海の少年



「──それから16年間、僕は魔神様に育ててもらったの。超感動的な話でしょ?つかこのパン自家製じゃん!」


感動してうるうるしてる春と陸を見て
蓮が朝食を食べながら言うと2人は頷いた


「……待て。お前いくつだ。」

「20歳だよ。年上には敬語を使いなよ海斗。」

「「「「3歳年上っ!?」」」」


今までずっとタメ語だったし
同い年だと思ってた4人は
蓮をじっと見た

ちょっと長めの金髪
可愛い系の顔立ち
細身だけど筋肉の付いた体
身長は170とちょっと低め

春と奈々は顔を見合わせると
溜め息をついた


「20歳には……」

「見えないわね〜…。」

「ちょっとそこ!」


蓮が叫ぶと口からパンが飛び出して
正面に座っている海斗の顔に当たった


「…あ……。」

「……蓮…てめえ喧嘩売ってんのか?」


海斗の周りに冷気が漂い始めると
春と奈々と陸はすぐにスープを飲んだ
……凍って飲めなくなるのは嫌だからね


「そう怒んないでよ〜。海斗が前に座るのが悪いんだよ。春ちゃんが前だったら絶対飛ばさないもん。」

「ふざけんなボケ。パン飛ばすとか小学生かよ。」

「一応海斗よりも年上なんだけど。」

「¨一応¨な。精神年齢は8歳だろ。」


バチバチと火花が散ると
3人はパンをかじりながら
「またか……」と溜め息をついた


_