「春っ!」
「楠木っ!」
奈々と陸が部屋に入ってくると
春は笑顔になった
「よかった……2人とも無事だったんだね。」
「ああ、蘭に治してもらったからな。」
「ちょっと!いい加減に起きなさいよ!」
奈々が海斗と蓮を天井に
叩きつけると2人は
目を覚まして床に落ちた
涙目になりながら文句を
言う前に奈々が春を指差した
「春が起きたわよ。」
「春!」
「春ちゃん!」
「……おはよー。」
目をぱちくりして2人を見る
春に奈々は溜め息をついた
「色々説明するから、顔洗ってきなさい。」
「うん……わあっ!」
「いくぞ。」
海斗にお姫様抱っこされて
真っ赤になっていると
ふわりと体が浮いて
蓮に抱き締められた
「じゃ、いこーか。」
「いこーかじゃねえよ阿呆。てめえ春を抱き締めんな。春が穢れる。」
「はあ?古賀海斗に言われたくない。春ちゃんは僕のだしー。」
バチバチと2人の間に
火花が散っていると海斗が
一瞬で春を奪い返して
得意げに微笑んだ
「俺の春。」
「返してよ僕の春ちゃん。」
「やだ。俺の春だし。」
「僕の」
「俺の」
結局、延々と続いた言い争いに
キレた奈々が2人を潰して
春を洗面所に連れて行った
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