¨桜吹雪¨
可憐に舞う花びらに乗せて
物体を移動させる風の技だ
「でも…それだけじゃ…ないよ……。」
『なんだと?こんな花びらで何ができる。逃げるのか?』
「春は……逃げない。」
春を踏みつけながら
顔に鎌を突き付けるドールに
春は小さな声で呟いた
『収束・幹。』
『なんだと……っ!?』
花びらが連なり一本になると
ドールの体に巻き付いた
ドール力ずくで千切ろうとするが
逆に食い込むばかりだ
『お前のどこにこんな力が残っている!』
その質問に春は答えず
弱々しく微笑んだ
『浄花満開。』
『っ!死ねっ!』
鎌が勝手に動き春を突き刺すと
同時に巻き付いた花びらが光り出して
ドールは光の球体に閉じ込められた
パァンッ
球体の力が弱ったのを見計らって
羽根を広げて球体を破ると
光は花びらに戻り舞った
ドールは春に刺さった鎌を抜くと
トドメを刺す為に首に狙いを定めた
『これで終わりだ!』
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