空の少女と海の少年



ザシュ

ナナは目を見開いて
その場に倒れた
春と海斗は腕の中から出て
倒れたナナを見て
……体が動かなくなった

ナナの背中から赤い血が流れていたから

リクが駆け寄ってナナを抱き上げると
ナナはゆっくりと目を開いた


『……ごめんリク…2人…頼んだ……わ…』

『……嘘だろ…ナナ…?ナナー!!』


ナナが動かなくなると
リクは力一杯抱き締めた
顔は見えなかったけど
リクは泣いてた
凄い悲しくて春も海斗も泣いてたら
氷みたいに冷たい腕に包まれた


『感動の別れはもういいかしら?じゃあ次はお姫様と王子様とお別れね。』

『っ!やめろ!』


冷たい腕、冷たい声
とても怖かった


「はなせぶすっ!きたねーてではるにさわんなっけがれるだろ!」

『……楽園ぶっ潰す前に城ではどういう教育してるのかが気になるわ。』


プルプルと怒りで体を震わせる
リールの手が緩んだのに気付いて
リクはリールを蹴り飛ばして
春と海斗を助けてくれた


『もうすぐウタが来て助けてくれる。それまで俺から離れるな。』

「「うんっ!」」

『いい子だ。……じゃあ元気でな。¨ひだまり¨』


春と海斗の頭を撫でた後
暖かい箱みたいなのに閉じ込められた
リクは春達に背を向けると
剣を握って地面に突き刺した


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