‥*HARU's side*‥


いや……
あの目はいや……
あれは血の色
血は嫌だ。
思い出したくない……。


──楽園のお花畑で海斗と遊んでた時
急にナナとリクが来たんだ
いつもの笑顔じゃなくて
怖い顔をしててびっくりした


「ナナーリクー。どうしたの?」

「おこってるのかー?これやるからげんきだせよ。」


2人で作った花の冠を海斗が渡すと
悲しそうに微笑んで
また怖い顔になってリクが叫んだ


『今すぐ城に帰れ。早く!』

『……あら?お姫様に王子様じゃない。探したのよ。』


声が聞こえると
周りが夜みたいに暗くなって
体中が凍りつく程寒くなった

ナナとリクが振り返ると
そいつは立ってた


『ナナ、2人を連れて城に逃げろ。』

『リク!?何言って『早く行け!』……っハル、カイト。しっかり捕まって。』


ナナの声は震えてて……
今考えると泣いてたのかもしれない
春と海斗を抱き上げたナナは
凄い速さで城に向かって移動した

……はずだった


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