しかし、羽根は春に刺さる前に
凍りつき地面に落ちた

春は目の前に立つ人物を
見て目を輝かせた


「海斗っ!」

「ナイト登場ー…なんてな。」

『海の王子め!』


海斗に向かって鎌を振ると
さっきよりも強い風の刃が放たれた


「本気出してみろよ!」


氷結晶で風の刃を真っ二つに切ると
左右に逸れて地面が大きく抉られた

頭の中にユラの声が響いてくる


《ドールは力の半分も出していません。これからが本番ですよ。》

「分かってる。」


話してる間もドールの
殺気がどんどん増す

血のように赤い瞳が
春を射止めるとビクリと
体を震わせた


あの目……知ってる
嫌だ…嫌だ……


「いやあああああっ!!」

「春!?」

『春は任せろ!人形から目を離すな!』


頭を抱えてしゃがみ込んだ春は
融合状態を保てなくなり
サラと別れてしまった

海斗達3人は春をサラに任せ
自身の周りに黒い羽根を
散らすドールを睨んだ


_