ミウはそう言って
右手に闇の塊を作り出した


『今の春の心はこの闇と同じ。穢れも憎しみもない純粋な闇。』


純粋な闇の塊に手かざすと
中に黒い渦が巻き始めた


『海斗達が会った時の春はこの闇。不安や悲しみが混ざった闇は不安定な状態で、暗示にかかりやすいの。』


手の闇を消し去ると
ミウは溜め息をついた


『……暗示にかかっているだけの春なら、キラの力で闇を取り払えば元に戻ったんだけど……。』

『今の春様にキラの力を使うと、光に戻りますが記憶は失われたままですわ……。』

「あの〜あなたは誰ですか?」


悲しそうに溜め息をついた
青い髪の女性を見て奈々は訪ねた

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