みんなで雑談していると
もうお昼になったので
春達は初めての学食を
案内してもらうことにした
「ここだよーっ！」
｢｢｢｢おー！｣｣｣｣
綺麗なレストランのような場所は
生徒で溢れかえっていて
空いている席が全然
見当たらなかった
「座れそうにないわね。」
残念そうに奈々が言うと
入口の近くの１０人席に
座っていた生徒がヒソヒソと
何かを話し合った後立ち上がった
「俺達、食べ終わったのでよかったらどうぞ！」
「え？」
生徒達はそう言うと
足早に去っていってしまった
変に思った４人が
耳を澄ませてみると
生徒達の話が聞こえてきた
──あれが噂の転入生？
Ｓには見えないわ
──やべえＳ組だ！早く食えよ！
──関わるとろくな事ないわ。
──どうせ前の騒ぎもあいつらだろ？
「……気にしない方がいいよ。」
次々と聞こえてくる陰口に
顔を歪めていると
席に座った由紀が言う
「ここは自分に自信をもった人達ばっかりだから」
「みんな自分より強い人間は嫌いなんだ。」
苦笑いしながら
玲と蘭が言うとみんな頷いた
その表情があまりにも
平然としていて
嫌われることには
慣れているように感じた
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