部屋の中に入るものの私は立ったままぼーとしている。
社長は、何やら飲み物らしき物を飲みながらベッドに座っていた。
・・・って、今思えばなんで私こんな所にいるの?
なんで社長はここにいるの?
次々と疑問が出てくる。
それに・・・。
私にとっては、今更何しに来たのって感じがする。
さっきまで、美人でスタイルのいい女達に囲まれていい気になってたのに。
今更なに?
いくらお酒を呑んだって消える事のない記憶。
だめだ。凄いイライラしてきた。
相手は、社長なのに怒鳴ってしまいそう。
「座れば?」
ポンポンと自分の隣を叩きながら言っている社長。
「いいです。今から帰るので。」
イライラは、もうすぐ頂点にいきそうなくらい感情が高ぶっている。
だって、なんで今。
酔っているとはいえ、ここまで素直に来た自分もバカよ。
「いいから座れよ。命令だ。」
「っ・・・。」
顔が酷く歪んでいると思う。
私の手は、爪が手のひらに食い込むくらい強く握っている。
それでも仕方なく社長の隣に座った。
「何の用ですか。社長。」
「・・・飲む?」
いつもより、何倍も低い声を出したって言うのに
社長は自分が飲んでいた飲み物を私の前に出した。
その自分勝手さが更に私の怒りを高くする。
・・・もう限界。

