見た事ないぐらいの笑顔だった。
確かに社長との面識なんてあんまりないけど・・・。
でも、あんな笑顔見た事ない・・・。
ズキン。
微かに聞こえる胸の音。
心拍数が早くなっていってる。
胸が痛くなってきた。
社長の隣にいる人は、社長の腕に自分の腕を絡みつけて必要以上にベタベタしている。
それにかなりスタイルいい子が多いし・・・。
笑顔になるのも当たり前。
男なら当たり前なのに。
気持ちは、沈んでいく一方で。
わけわかんない・・・。
社長なんてどうでもいいのに。
社長をしばらく見ていると、ふいに社長がこちらを向いた。
確かに目が合って。
何かを言いたかった。
なのに。その目線は直ぐに外され、他の女に移された。
な、んで・・・?
なんて、図々しい事言えないけど・・・。
女に囲まれて、文句言う度胸も権利もないけど
そんな事よりも目をそらされた事のほうがよっぽど。
胸が痛んだ。
所詮は物覚えの悪いBカップの世話係だもん・・・。
仕方ないけど・・・。
それでも、いてもたってもいられなくてその場を離れた。
近くにあった水だけをとって、直ぐに由香里の元に戻った。
「あれ・・・。鈴木さん。」
由香里の元に戻った時には由香里は夢の中の様子で、その横には鈴木さんが座っていた。

