這ったまま体を床に滑らせて銃撃をかわすが、このままではジリ貧だ。

 わずか一、二秒間の出来事。破壊されつくされ煙と埃で霞む視界が突然光に照らされた。

(壁が!)

 あっと言う間に壁を打ち崩す程の威力が俺にとっては幸いした。そこには眩しい外の世界が広がっていた。

 わずかな弾幕の隙間を縫って転がりながら外へ飛び出すと、俺は裏の細い道を駆け抜けた。

 しつこく追ってくるかと思われたが、追っ手はほんの数秒射撃を続けただけであっさりと引き揚げたようだ。一人にかまっていられないということだろう。



 あと十五時間――