銃撃は途切れを見せない。転がる体を追うようにアスファルトが砕け、歩道脇の衣料店のショーウインドウが粉微塵に割れた。その店内へ体を躍らせ、奥へと身を隠した。

(俺がなにしたってんだ!)

 マネキンを掻き分けながら店の奥へ走り裏口を探す。道路に響く重いエンジン音が近付いてくると、焦りは頂点に達した。

(裏口がない!)

 袋小路の狭い店内。振り返ると大きな影が道路に映り込んだ。……絶体絶命。やがて姿を見せた装甲車は燃え盛る軽トラックを押しのけ、店の前で止まった。

 銃口がこちらを睨む。反射的にカウンターの中に飛び込んだ。次の瞬間、重低音を響かせた雨あられのような弾丸が雑多な店内へと打ち込まれた。マネキンが弾け飛び、色とりどりの服は千切れて宙を舞い、陳列棚は崩れ落ちる。

 カウンターは瞬く間に削られた。