不安定な軽トラのテールを振り出しながらインターチェンジを駆け上がる。所々で道路は陥没し、そのたびにヒヤリとするが、スピードは落とさなかった。

『福岡まで200km』

 道路脇の緑の標識にやっと現れたその地名。ようやく目指すものが見えてきた気がして、心持ちがやや軽くなったようだ。

 シガーライターのスイッチを入れ、久しぶりの煙を吸った。ベタ踏みのアクセルにエンジンは悲鳴を上げているが、速度は120キロ近辺をうろつくだけだった。



 あと十六時間――